狸、再び

俺の飯が……


今日もご飯頂きまっせ


夜、再び珍客がやって来た。『本日のちいきーず 46 』で書いた狸だ。

狸は前回で味を占めたのだろう。一匹で山盛りご飯をペロリと平らげた。人が見ていてもへっちゃらだ。ちいきーずは狸を遠巻きに見ている。残りが少なくなると手を使って器用に一粒残さず食べた。それを食べ終わると、ちゃーちゃんのご飯を狙って近寄って来た。でもご飯皿はちゃーちゃんと一緒に玄関の中だ。流石にそこまでは入って来なかった。狸はご飯がもうないと分かると、ちいきーず用の水を飲んで去って行った。

この狸の尻尾には毛がない。お尻の辺りも少し毛が薄くなっている。もしや、疥癬症か? ヒゼンダニによるものだとしたら、ちいきーずが危ない。前回狸が入っていたハウスは取り替えた。多分接触はしていないと思う。

いつもはサビイやもっさんの為に、夜も玄関先にご飯を出しておく。だが、このままにして又狸に来られると困るのだ。狸は猫を襲う事はほとんどないと聞くが、私はちいきーずの安全を第一に考えたい。水だけ残してご飯は家の中へ。苦渋の決断をした。

翌朝、玄関を開けるとちゃーちゃん、月ちゃん、チビに加えもっさんもご飯を待っていた。もっさんはよっぽどお腹が空いていたのだろう。たっぷり食べて、珍しくうちの前で毛づくろい。その後、いつもの畑に帰る迄ずーっと「ニャオーン」と鳴いていた。ご飯が出ていなかった事への文句か、はたまた美味しいご飯への称賛かは分からない。もっさんやサビイには申し訳ないが、狸は夜行性なので、暫くはご飯を出すのは昼間だけにする事にした。