フロスト工業団地で、イレーナという女性に会いました


彼女は弟のレヴァンを何年も探しているようでした。


レヴァンはリバティー戦争で行方不明になった1人で、ペガサス号へ支援に向かった宇宙飛行士だったとのこと。



フロスト工業団地の文官助手・ロアに話に行くと、そのことを知っていました。

彼女には希望が薄いと言われてしまいましたが

それはイレーナもきっと分かっているはず。

私が協力することでイレーナも心の整理がつくと思ったのです。


航空宇宙局の人員名簿を見て、レヴァンの出発した時期を調べたいとお願いすると

ロアは、ケプラー航空宇宙局の入館許可証を渡してくれましたにっこり



イレーナと現地で落ち合います




中に入り、端末装置から宇宙飛行士の情報を見ますが

なぜかレヴァンの名前はありません。


元の計画を見ると、レヴァンは確かにこの宇宙飛行士たちと一緒にペガサス号に入ることになっていますが……




と、そこへタリアからメールが届きました


イレーナに伝えますが

そう言うと、慌てて飛び出していってしまいました



私も後を追い、ケプラーエアポートへ。





アジョンは私たちにレヴァンの話をしてくれました


「……レヴァンは臆病者です。もともと彼は他の人たちと一緒にペガサス号の支援に行くはずでした。


それが直前になって逃げ出した!

発射の前日に基地を抜け出したのです。」

レヴァンは、リバティー戦争が始まってすぐの頃、襲撃に逢ってこの世を去ったとのことでした。


泣き崩れるイレーナ。


それを見たアジョンは、彼女に慰めの言葉をかけました。



私は一つ疑問に思ったことがあり、アジョンに聞いてみました


「イレーナはこれまで何度もケプラー港にレヴァンを探しに来ています。どうしてもっと早く、このことを彼女に話さなかったのですか?」


アジョンは少し言葉に詰まった後、こう言いました

気づけば何年も経っていて、まさかイレーナがまだレヴァンを探しているとは思わなかったと。

彼はイレーナに謝っていました



当のイレーナは、ここまで聞いてもまだ受け入れられない様子で、1人で外へ飛び出して行ってしまいました。



私も後を追おうと、出口に差し掛かったとき


後方でアジョンが誰かと話す母が聞こえます



「もしもし、ボス!

頼まれた仕事は無事に終わりました。」


私は引き返し、聞き耳を立てました



「これで彼女も諦めて帰ると思います。

言われた通り、物も引き渡しました」


通話の向こうの声が答えます

「ご苦労だったな。訓練センターに戻っていいぞ。」


アジョンは言います

「ですがボス、お姉さんはショックで酷く泣いてました、本当に……」


「黙れ!俺に姉などいない。」



……何か裏があるようです驚き


急いでイレーナを追いかけ、このことを伝えました

彼女は、レヴァンが生きているかもしれない事実を噛み締めながら、

どうして弟が自分に会おうとしないのかを考えているようでした



さっきの電話で言っていた訓練センターとは、

天星訓練センターのことでしょう。


イレーナと一緒に向かうことにしました




天星訓練センターは、以前大勢のタイダルと戦った場所。

嫌にしんと静まりかえっている中、気をつけながら2人で進んでいくと……



「オレたちの縄張りにのこのことやって来るとは、いい度胸じゃねえか!」


案の定、タイダル兵の一団に囲まれてしまいました。


多勢に無勢。やつらがじりじりと詰め寄って来たその時

階段の上から男性が降りてきました


タイダルはその男性を「ボス」と呼びました


そしてイレーナは


「レヴァン……」







イレーナは、レヴァンは子供の頃からずっと1番いいものを手に入れてきた、と話します


宇宙への夢を持っていたのは私だったのに、両親はレヴァンをここで訓練させた。


それなのにこんな自分勝手なことをして、申し訳ないと思わないのか、と。



流石に私も口出ししてしまいました


その言葉を聞いたタイダル兵たちも


全員の銃口が私たちに向けられ

まずい状況になりました



どうにかしようと必死に考えていた時

突然

レヴァンの銃が1人のタイダル兵を撃ち抜きました


タイダル兵たちは即座にレヴァンを裏切り者と判断し、一斉にレヴァンに向けて襲い掛かりました



私も参戦し、

なんとか全員を倒すことができました。



辺りに静けさが戻りました。



レヴァンはゆっくりとイレーナに近づくと、

一緒に行くことはできないと謝りました


自分のような人間に帰る場所はない、

決められた生活を嫌いながら、抗う勇気もなかった、と。



イレーナは、それはレヴァンがただ優しい人間であるからだと宥めますが

彼の気持ちは変わらないようでした。


こんなに弱い気持ちでは、遅かれ早かれ姉さんを傷つけてしまう。どうなるかは分からないけど、行くしかない、と。




結局レヴァンは

1人で去って行ったのでした


結果がどうであれ、これが彼の選択だったのです。