今朝の朝日新聞「天声人語」より




東京で広げた声欄に「ピザ屋さん,ごめんなさい」

があった。首都圏が「大雪」に慌てた成人の日,

さいたま市のひかるさん(10)は宅配ピザを頼む。

「時間は約束できません」と言われたが,

お母さんに注文してもらった。


この少女を後悔させたのは,長針が二回りした

待ち時間より,配達員の姿だった。

全身びちょびちょ,震える赤い手でお釣りを数えている。

母親は申し訳なさそうに缶ビールを手渡し,

娘もとっておきの10円菓子を差し出した。

投稿は

「お兄さん,今度は天気のいい日に頼むからね」

と結ばれる。


届けてなんぼの宅配サービスに,客の心遣いは無用かもしれない。

それでも,女の子は少し大人になり,

若者は時給を超えた出会いを得た。

雪道がもたらした寒くて温かい話。

冷えたピザは,オーブンでおいしく生き返ったそうだ。




子どもと接していると,

(どうしてこんなことを言うのだろう)

(どうしてこんなことをするのだろう)

(そうしてこんな風に思うのだろう)

なんて感じることがあります。

感性が育ってない・・・

と,一言で片付ける前に,

自分はどんな言葉を子どもたちにかけているかな

と,省みる必要があるなと思いました。


                    (ちい)