新札発行は何の為?

    〜直ぐにオークションに賭けられた新札に印刷された人物は今の日本をどう思うでしょう?〜

 2024年7月3日に新紙幣が発行されました。旧札は20年前に発行された物との事で、『そんなに長い間使っていたのかな?』と思うくらい私にとっては短い20年でした。旧札が使えなくなる訳では無いし、徐々に新しい物が出回って、お釣りで帰って来たり、銀行で生活費を引き出したりする時にお目に掛かればそれで十分な私には、銀行で列を成しても新札を手に入れたい人の気持ちは、あまり良く解りません。近頃は、クレジットカードやチャージカードで支払うことが多く、現金のやり取りが減っていますので、あまりお札の必要性も無く、お目にかかれるのはかなり後になりそうです。新札発行のニュースも忘れてお釣りを貰ってビックリ!なんて事にもなりそうです。

 発行前日と発行日にニュースを拝見し、皆様は『旧札が使えなくなるのでは?・・・』と思って交換を急いでいるのかとばかり思っていました。でも、そうではなかった様です。ニュースでは、手に入れた新札が既にネット上でオークションに賭けられていると報じていました。20年ぶりに刷新された新札の自分が手にした1枚を記念に取っておきたいと思う気持ちは理解出来る様に思います。直ぐにオークションに賭けてしまった方々にとって新札を手元に置きたいと言う思いはなかったのでしょうか?何だか私は残念な思いでした。“どんな物も金儲けの手段にする。”それを欲する人々を食い物にするやり方がとても残念でした。何かの記念等で作られた紙幣や硬貨は、もっと大事に扱われて良い物ではないのでしょうか?自分にとっていらない物なら紙幣として買い物に使用すれば良いのです。使用したお金は、また別の方のお釣りなどになって手元に渡ります。紙幣とはそもそもそういう役割の物ではないのでしょうか?欲しい人の思いにつけ込んで一儲けしようという思いが、私は残念です。たまたまお釣りに新札が入っていて、次の方が『いいな!』なんて声を掛けて下さったら、私は『同額の旧札とお取り替えしましょうか?』とお返事したいです。それを手にして喜んで下さる方がいらっしゃるなら、私はその次で良いです。

 そして、新札の発行の理由が『タンス銀行の炙り出し。』なんて本当か嘘かは私には分かりませんが、そんな事が囁かれる日本て素敵じゃないです。日本で偉業を成した人は数多くいらっしゃるのに、紙幣に選ばれるのは、今の紙幣の種類から考えれば3人の方しかありません。少しでも自慢出来る日本人を世に広めるための手段として新札の発行は素敵な事だと思いますが、姑息的なやり方ばかりが先走って、何だか今回選ばれた3名の方々も残念に思われているのではないでしょうか?金儲けや隠し財産の炙り出しに使われるのは、あまりに偉業を成した方に失礼な事です。紙幣をその紙幣価値で使い、流通させる事が紙幣の本来の目的ではありませんか?綺麗事に聞こえるかも知れませんが、そんな基本的な事忘れてしまっている今の日本人を、私は本当に寂しい人達だと思います。残念です。胸を張って子供達にお金の価値や大切な事は何かを伝え、その価値に見合う本当に欲しいと思う物を自分の目で選んで購入する事の大切さを伝えられるバーバで私はいたいと思います。