泣いたってどうしようもない事は解っていた
だけれど止めることはできなかった
『何故私は今此処で一人ご飯をたべているのか?』
自問しても自分のせいにしかできなかった
頭の中で聞こえる声
「美味しいね」
「おかわりしていい?」
「お弁当にも入れて欲しいな」
・・・特別な料理を作ったわけでもなかったが
ほんの短期間でも私は幸せな食卓を知った
それは自分の肉親から受けた肩身の狭い食事とは違っていた
生命活動の維持だけの為だった食事・・・
それは大切な人との団欒に変わり
私にとっては幸せの象徴であった
なのに
半年で夫は逝き
信じた2度目の結婚は
不本意なまま終わり
収入も得られないまま見知らぬ土地で暮らすことを
半ば余儀なく決断せざるをえなかった
一噛みする毎に蘇る幸せの日々
私の作る全ての献立に
美味しいと笑ってくれる顔が浮かんだ
失敗に爆笑している二人が浮かんだ
そうして私はいつまでも
食べているのか泣いているのか
わからないで日々を過ごした