日付が変わって数時間後に仕事から帰宅した私は
へとへとに疲れ
短い夜闇を楽しむことも無く眠りについた
昼前に薄っすらと覚醒するが体を動かしたい気分でもなく
「起きなくては」と
言い聞かせる気持ちに反発する様に
ベッドの中で濁った液体の様に身を捩じらせる
喉が渇いてる
やらなくてはイケナイこともある
今ヤラナキャダメ?イインジャナイ?
そんな戦いをしばらく続けた後
喉の渇きが勝利した
冷蔵庫を開け欲しい侭に水を飲み
トイレに行ったり歯を磨いたり
自分の欲求をひととおり満たした頃には
すっかり目覚めていた
ヤラナキャイケナカッタ事
ヤリタカッタ事
ひととおりヤッツケた頃には
遅く起きた朝はもう暮れ始め
ソファに腰を下ろした頃には夜だった
開け放たれたベランダから聴こえる小さな音
去年も聴いた花火の音
今年も偶然聴く花火の音
私は知っていたけどベランダに出る
花火が見えない事など知っていたけれど
ベランダに出て空を見つめた
見えるはずの無い花火
だけれど私にしか見えない去年の私
音の彼方には去年の私が見えていた
彼と一緒に花火を見たい私
人に知れるのが嫌な彼
界隈を一緒に歩くことは望んでもできなかった
例え歩いてもいつも人目ばかり気にしていた
彼から送られてきたメールには
大きな花火が舞っていた
新しくできたイベント会場
「行ったけど面白く無かったよ」
私はそんな言葉を聞きたい訳じゃなかった
ダッテドコダッテタノシイ・・・フタリナラ
「遠くに行けば・・・」
「人に見られなかったら・・・それなら・・・遠くに行こう」
一人呟く
でもそれも叶わなかったから
私達の心は遠く離れてしまった
今そばに居たのなら
一緒に歩いてくれてますか?
きっと認められないままでしょう
私はそれに押し潰されてしまった
この世で一番大切な人は
私と胸を張って歩けなかった
世間の目の方が大切だった
心はそれに押し潰された
あなたに映ってる私が
世の中の誰にも必要とされてない様に見えて
耐え切れなかった
私は弱かった
だけれど
あなた以外に
肉親さえ私には居なかった
空の向こうの見えない花火は
大きく大きく空に舞っていた
