umi 夏のある日


母(私を産み育てた人 )は突然海水浴に連れて行ってくれると言い出した


私と弟は喜んで浮き輪を膨らませ水着と着替えを持って


母と出かけた


歩く途中田舎で1時間に1~2本しかないバスの時間が迫っているのに


母は果物を買うとスーパーに寄り道


スーパーの前で待つ私と弟


だか時間は刻々と過ぎバスの時間が迫る


母は子供達に先に歩きなさいと言うが


まだ幼い2人は先を歩くのが不安であった


信号を渡ればバス停という所でバスは行ってしまった・・・




母はヒステリックに怒り始める


大人の足なら余裕で間に合ったのだから先に歩いていなさいと言ったのに


そうしなかったから乗り遅れたと叱るのだ


他の路線のバスなら10~15分おきにあるのだが


それに乗って少し歩いて行こうと母は言わなかった


もう帰ると


子供達に背を向け歩き始める母


1kmはあるその道のりを


膨らんだ浮き輪をかかえてトボトボ引き返す


私は何故母を怒らせてしまったのか


何故恐ろしい顔で怒鳴られたのか


理解できなかったが悪い子なんだと思った





「よくグレなかったね?」


親の話をするとそう言われる


それを聞くと私は微笑ってしまう


やっぱりあんまり伝わらないよなぁ・・・


と思うからである


もともと伝えようと必死で話してるわけじゃないけれど・・・




グレるといのはグレて誰かに見てもらえる人が・・・


反応してくれる対象がいないと何の意味も無い


我侭とか好き嫌いとか・・・とにかく自分の我を通そうとする行動は


それに応えてくれる対象が居なければ意味が無い


逆に言うと虐待を受けている子供はグレてなんかいない


自分を守るとか生きるとか食べるとか憎まれないとか愛されるとか


そんな事に必死でグレている場合じゃないわけである




私も必死であった


ずっと必死だった


でも彼女が私に笑ったのは


私が働いてから彼女にお金や物をを渡した時しか・・・記憶に残っていない


本当はそれは言い過ぎで


彼女の笑顔はもっと見ているけれど


だけど・・・どんな時であったか思い出せない・・・




母の日が近づくと遠い夏の日の海水浴を思い出す


あんなに小さかったのに私は母の怒った背中を追いかけながら


何故いつも怒らせてしまって


そして愛されないのかと浮き輪の間から見える地面を見ながら


落胆して歩いた・・・





母の日に贈る


母への想い


・・・私はあなたにこんなに愛されたかったのだと


遠くの空から故郷を慕っています・・・





話した人にはグレてる場合じゃないって状況が理解できない


しかし理解できなくて普通・・・それは幸せの証