私は私の大切な彼を
大切な友人に会わせたくて仕方なかった
大好きな人に囲まれて生活したかった
なんの疑いも屈託もなく
その彼と彼女が
私の目の前を偶然車で通り過ぎた
驚く彼
慌てる彼女
私は真の前を通り過ぎるたった数秒の彼らに
なにが起こってるのか全て察した
公衆電話から彼女の家にTEL
今のは夢だった
だから彼女は家に居る
電話に出てその低い魅力的なハスキーボイスで
どうしたのさ?
って素っ気無く聞くはずだ
でも彼女は電話に出なかったし
夢でもなかったし
どうやって帰宅したのかは覚えて無いけど
私はいつの間にか部屋に居て
そして理解した
温もりが無いのも
そして簡単な温もりも
それは愛じゃないと
私はやっと目覚めて
重い扉を閉じた
つづく
- 海の底/有川 浩
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
