近所の小さなデパートに行ってきた


あんまり行きたくなかったけど


家に居ると胸が痛くて息苦しかった



先日彼に別れを告げられたから



ガソリンが入ってなくて仕事に行けないかも


証明書の写真を撮りに行かないと


先日買ったパンツのお直ししないと



出掛ける理由はいくらでもあった


あとは気分だけ



日曜日のデパートは嫌い




家族連れやカップルで溢れているから


1年前まで私は休日のデパートに行けなかった


休日じゃなくても小走りで用だけ済ませるくらいしかできなかった


家族の居る人々が羨ましくて


家族の居ない自分がとてもみじめに思ってしまうから


彼に出会い彼と楽しい買い物をするうちに


一人でも買い物はできるようになったが


未だ週末の人ごみは苦手




・・・・・閉店間際のデパートに車を走らせ


途中やはり閉店間際のスタンドに寄る


「お客様スタンプカードがいっぱいなので粗品ですが交換させて頂きます。」


「はぁ。」


「ティッシュペーパーとトイレットペーパーどちらがご希望ですか?」


「・・・・・トイレットペーパーで・・・・・お願いします。」


満面の笑みで景品を取りに走るスタンドマン


薄らボケながら答える私


仕事といえ大変だなと思う反面


その素敵な笑みは作り笑いだろうと心の中で毒づく


スタンドとかファーストフードの店員さんの輝く笑顔が苦手




だって嘘だから



今日はティッシュがもらえてついてる日


そう言い聞かせながら買い物を始めるが


まもなく忘れ物に気づく


裾上げしてもらおうと思ってたパンツを忘れていた


買って何ヶ月経ってるんだろうか


忘れない様にメモまで書いていたのに




やっぱりついてないのかな



照明写真を撮り終え


メモを持ちながら一人ブツブツと買い物


ぼやぼやしてたら閉店してしまう


3月いっぱいで期限の商品券を使うのも目的だった私


8000円分もどうしようと悩み


結局いつも使ってる化粧品を買いだめすることに


レジでお金を払ってレシートもらう時に気づいた


商品券を出していない


私はいったい何をしてるんだろう





何か欲しい物は無いものかと


鞄や靴を眺めるが


欲しいと思えるものがみつからない


みつからないまま


ふらふらとアクセサリーを眺め始めた




そういえば大事な髪留め失くしたんだ



私はその髪留めを探した


みつかっても


彼は戻ってこないのに




派手な赤いビーズのネックレスに眼が留まった


血の様な濃い赤で色々なビーズで何重にもなってるネックレス


「これ輸入物なんで此処には1点しか入ってきてないんですよ」


店員はにこやかに微笑ってる


首につけてみる


鏡を見て


ネックレスが似合うかということよりも


自分のあまりに疲れた顔に驚く


とてもアクセサリーを買おうとしてる女には見えない


「これください」


鏡から早く眼を逸らしたくて早口で言った


その宝石でも何でもないビーズの珠の飾りは


8000円を超えていた



帰り道


どっちの路から行けば信号に引っかからないかしら


なんて考えながら車を走らせた


結果は信号待ち


やっぱりついてない 


ついてるわけない




ねえ


キーホルダーが壊れちゃった


鍵が落ちちゃいそうだ


次のお誕生日にプレゼント駄目?


そしたら毎日必ず手にするし


お外に出たら離さないから


見つけたアレまだあるかな?


ああいうのは


好みじゃないから駄目なのかな?


なんて独り言を言っては


また涙を流す