たえて桜のなかりせば‥まかろんのお城の桜だよりno.25 | あとりえまかろん まかろんのへや

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ちいさな家族、まかろんとの日々をたいせつに紡いでいきたい‥ちいさな歩幅でゆっくりふたり歩いていきます。
つないだ手、いつもいつまでもはなすことなく‥



ありがとう



ことしもあえたね



ベンチにすわって

お花のなかの「キミ」をみてる



ボクはひとり

   じゃないよ



ほらほら、あんなふうに



いつだって



ボクのそばには

大好きなひとがすわってる



いつだって
ボクは、やさしいお膝のうえ



いつだって、ボクは

やさしい腕のなか



ママの五年をありがとう
そうおもいながら、この車椅子さんに
十年ぶりの‥桜をみせてあげました

キミは、十三年まえのまかろん桜を覚えているかなあ
〜あ、あんときは、キミの相棒が付き添ってくれたんだった


いまでも、片手は、みえない車椅子を押していて
もう片手は、元気だったときの母と手をつないでる

あ、可愛いふわふわ、のぶんの手がない?って??
大丈夫
心の手はぜーんぶ、ちいさな王子を抱っこ☆〜(ゝ。∂)

そうして、この十年
この車椅子をじっさいに押すことがなくとも

歩けてる

歩けてきた


だって


車椅子のおもみ、のかわりに
左肩には愛おしい重み、があるから



あの春の日の
坊やのはじめてのお花見をおもう



またらいねんの花にあうまで


きっと、ふたり

すこやかに





それが




ボクと



花の




ゆびきりのやくそく



ママのいない十回の春

ねえねとふたり、夢中で
花のなかをあるいてきた

十年‥ボクの生涯のなかのだいぶぶんの時間
ママがいない時間も、しっかりしあわせに笑っているため
ねえねをささえてきました

ボクがどうして
わんこ、なんかさわりたくもない
わんこ、なんか超ニガテ、大キライ
の、ねえねにめぐりあったのか

ボクにはママからの大切なお仕事
が、あったのだと‥
あるのだとおもいます

ながいながい、ボクの桜だよりをご一緒していただいて
ありがとうございました

ことしは、すこしだけ、いつもの春とはちがう
とくべつな春でした


桜ばな、いのちいっぱいに咲くからに
いのちをかけて、わがながめたり
            岡本かの子



   春をおくる

春を歩ききった

そんな気がしています



   春が逝く



まかろんのお城の桜だよりno.25

       はなのきおく𓂃   𓈒𓏸 


          fin



ボクは花疲れ



たえて桜のなかりせば

  春のこころはのどけからまし