ひょんな事から思い立って何十年ぶりかで色鉛筆を買い、これまたたまたま10年程前に買った絵はがきにもなる大人の塗り絵をやってみた。これがなかなか楽しくて結構ハマった。

 楽しく色を塗っていて最近は私が子どもの頃には「肌色」と言われていた色が今は人種差別につながるとかで別の呼び名があると聞いたのを思い出した。使っている色鉛筆を見ると・・・うすだいだいいろ。

 確かに橙色を薄くした色だけれど、「はだいろ」になじんだ私には違和感。私が子供だった昭和の時代には町で外国人を見かけること自体珍しかった。日本に住んで居る人が殆ど日本人だったので、このうす橙のような色が皮膚の色の平均的濃さで多分違和感はなかったと思う。今確かに日本に住む子供達、皮膚の色の違う人たちも増えたけれど伝統的に日本人の大多数に一番近い色が「はだいろ」で何故差別を生むのかピンとこない。

 いろんな国で生活仕事をしてきたが、国際的な環境で仕事する人たちの中ですら残念ながら今も表には出さずとも人種差別の意識をしっかり残している人たちは居る。ただこれは肌の色の違い以外にも宗教や生活信条や生活習慣等への好悪、無知などいろいろな要素が絡まった物とみている。

 日本で売られている色鉛筆で居住者の多数を占める日本人の「肌の色」をはだいろというのが差別を助長するなんてそんな単純な問題ではないと思う。肌の色の違う子供達には説明すれば良いこと。彼らにも日本の社会や歴史を学ぶ機会だ。最近人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いるポリティカル・コレクトネス political correctnessの流れと思われるけれど、これは行き過ぎでは。こんな文化的な表現にまで適用されるなんて息苦しささえ感じないでもない。