「幸福」後編

ニューズレター#18−2015/11/30
 

<前編からの続き>


他の国の人たちと話をする時に

自分は圧倒的に世界の地理も、

歴史も、

自分の国の地理も、

歴史も、

何も知らないことに愕然としました。

 

何より、

親の世代に起きた戦争について、

なぜ自分はこんなにも、

何も知らないのか、

あまりの知らなさに、

疑問が湧きました。


 

 


ワークショップの参加者、

トレーニングの受講生に必要な、

解決を導き出すための、

戦争に関する知識が、

圧倒的に不足していることを痛感しました。

 

それで、必死で調べました。

 

私の仕事にわずかでも希望を抱いて、

せっかくワークショップや、

トレーニングに来てくれる方々に対して、

このままでは応えることができないと、

焦燥感がつのりました。

 

自分が解っていないこととは、

果たして何なのかを見つけることから始まり、

何が解っていないのかも分からない、

そんなところからの、

ゼロから、マイナスからの探求で、

途方に暮れながらも探し、

懸命に調べました。

 

その調査を通じて、

またまた人との出会いがあり、

そこから更に、

人生をかけた調査をする羽目に陥りました。

 

調査の過程で、

ひどい痛手を負い、

その痛みを通して、

もっと多くを学びました。

 

その挙句に知ったのです。

 

私が飽き飽きしていた日常とは、

歴史の中で払われた、

凄惨な犠牲によって、

大変な重みと、

苦悩と痛みという代償によって、

もたらされた結果だということを。

 

生命も何もかも投げ打って、

凄まじい代価を払って、

残してくれたもののおかげで、

私が文句を垂れていた生活が与えられていたと、

その事実の重さが私を打ちのめしました。

 

耐えられないほどの申し訳なさと、

自分の驕り高ぶっていた烏滸がましさと、

無知さ加減に、

胸の奥底から震え、

涙と共にひれ伏しました。

 

胸の中に溢れかえる重い自責の念に、

しばらく私は床に泣き崩れていました。

 

泣き疲れて放心状態になり、

しばらくして、

突然、

光が私を覆いました。

 

犠牲を払ってくれた人たちの思いが、

私を包んでいました。

 

それは圧倒的な、

絶対的な生命への賛歌であり、

肯定感でした。

 

私は光の中にいました。

その光が涙を洗い流しました。

 

次の瞬間、

私は感謝という、

圧倒的な幸福感の中に浸っていました。

 

初めて知ったのです。

幸福とは、

払われた犠牲の重さを、

全て知った上の感謝そのものなのだと、

少なくとも私にとってはそうなのだ、と。


 

 

 

そのことを知って以来、

何か美味しいものを味わう時、

芳しい花の香をかぐ時、

美しい月を見上げる時、

友人と過ごすひとときに心からの笑い声をあげる瞬間に、

過去に苦しみ傷つきながら、

私を守ってくれた人たちが、

私の胸の中で温かく微笑むのです。

 

一緒に味わうよ、と。

一緒にその香りを楽しみ、

一緒に美を()で、

一緒に胸の中でコロコロと笑い声を上げてくれるのです。

 

私と共に、

ささやかな、

ありふれた日常の幸福を、

噛み締めてくれるのです。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

3月9日、10日の東京ワークショップは、

現在の働きかけ枠は、

3月9日に残席2名分です。

 

問題に働きかけたい方は、

お早めにお申し込みください。

 

 

ファミリー・コンステレーションでは、

それまでの見方とは違う視点で、

解決への道を探ります。

 

これは自分の癖だとか、
自分の性格だからと諦め、
受け入れている不都合は、
もしかしたら誰かを助けるために、
背負いこんでいる、
他の人の過去の傷かも知れません。

 

いじめのターゲットにされているとか、

ストーカーの、

被害を受けているといったケースも、

原因を探る手段として、

コンステレーションを使うことができます。

 

親が嫌い、親が怖い、

親を許せない等の親子関係の悩み、

何をやっても上手くいかない、

不運に付きまとわれている、

といった個人的な不調、

夫/妻との壊れた関係を修復したい、

といった夫婦関係の問題、

仕事では、

できる限りの努力をしてきたのに、

良い結果に結びつかないなどの、

様々な問題に対して、

全く異なる角度から、

解決法を見つけていきます。

 

問題はあなた自身にあるのではなく、

過去に起きた、

出来事に起因しているのかも知れません。

もし、そうならそれを手放すことは可能です。

 

5月からは、

トレーニング第15期ファシリテーター養成コースが開講です。

自分の人生をファシリテート(促進させる)する、

様々な手法を身につけ、

自分の思い込み、

作り上げた自分像を壊し、

幻想を終わらせ、

地に足のついた自分として生きていく訓練場です。
そこから、

他者を助ける余力が生まれ、

技術を手に入れる事が可能となります。

 

 

4月初旬からは、

トレーニング第16期研究コースです。
基礎コースを終えて初めて、

親より小さくなる、

つまり愛や、

生命エネルギーを受け取る事が可能になり、

生まれたての状態になるのですが、

まだ気を緩めると、

過去の行動パターンは戻ってきやすいのです。
研究コースでは、

本来の自分らしさとは何かを再発見し、

それを安定させていきます。

 

 

 

4月からは新たなトレーニングが始まります。
これまでのトレーニング基礎コースと、

研究コースの2年間でやってきた事を濃縮して、

1年間で完了させる、

ものすごく濃い内容です。