「再誕生ワーク」
 
赤ちゃんが産まれる時は、
もう、
お母さんも赤ちゃんも無我夢中な訳で、
母子ともに生きてさえいてくれたらと、
誰もが願う一大事です。
 
 
誕生のその瞬間に、
赤ちゃんに何が起きているのか、
その影響がその後、
赤ちゃんの生育に、
どう影響するかは、
その時点では誰にも分かりません。
 
私がトレーニングを開始した初期は、
ドイツで学んだ方法を、
受講生の中の数人の、

難産で生まれたという人限定で、

対処法を実践し、

その周りで、

他の受講生は見ているというやり方でした。

 

誕生時に、

特に問題なかったと親から聞いていた、

他のトレーニング生たちは、

トレーニング会場という、

閉じられた安全な空間の中で再現される、

赤ちゃんとしての再誕生の瞬間に立ち会い、

驚き、感動し、

圧倒されるという経験をするのみでした。

 

それも確かに勉強になりましたが、

安産で生まれたと聞かされていた人たちは、

ただ現場の臨場感を体験し、

見て学ぶ以外なかったのです。

 

それが、

トレーニング生全員が、
体験できる方法が見つかってから、
次々に新たな発見がありました。
 
何度もコンステレーションをやったのに、
消えることのなかった、
漠然とした、
小さいけれど、
たくさんある、
僅かばかりの生きづらさが、
帝王切開で生まれた人、
陣痛促進剤を使って生まれた人、
無痛分娩で生まれた人たちに、
明らかに多いことがわかりました。
 
  • 時間についての感覚が掴めない。約束の時間を守るのが実はすごく大変。
  • 方向音痴、地図は普通に読めない。だから物凄く緊張して出かける。
  • 会話の最中にしばしば意識が遠のく。自分が筒の中に入っているような、薄い膜で覆われているような感覚になる。
  • 相手の話す内容が自分の中に入って来ない。言葉はわかるが意味が分からない。
  • 親離れできない。親と程よい距離感を持つとはどういうことなのかが理解できない。
  • 親が嫌いなのに、親に依存している。あるいは依存されている。
 
上記のような感覚を、
ずっと抱えて生きてきたけれど、
安産だと聞かされていたから、
再誕生ワークの対象に、
自分は当てはまらないと思っていた、
という人もいます。
 
それが、
全員参加型の方法が爆誕したことで、
「再誕生ワーク」後に、
明らかに世界の見え方が変わったと、
明るい表情で語ってくれる報告が、
幾つもあります。
 
出生時に立ち会う医師や、
助産師さんや、看護師さんが、
まず注意を払うのは、
生きて生まれたか、
呼吸できているか、
オギャアと産声を上げたか、
ということでしょう。
 
生きて生まれて、
産声を上げて、
呼吸をしていて、
周りからは難産だったと、
全く認識されたことがないにもかかわらず、
自分が産まれた実感を持たないまま、
大人になってしまう人がいるということを、
全員参加型での「再誕生ワーク」を、
何度も繰り返すうちに、
理解することになりました。
 
赤ちゃんの側にとっての、
安産だったか、
難産だったかの基準は、
出産に立ち会った大人たちの認識とは、
もしかしたら、
違うのかも知れません。
 
再誕生ワークも、
1回だけでは、
効果を感じることができなかった人が、
実はいます。
 
そういう場合は、
その人が生まれた時の状態を、
つまり、臍の緒の呼吸から、
うまく肺呼吸に移行できなかった、
今の自分に至った誕生の瞬間を、
無意識に再現しようと、
してしまうからなのです。
 
過去に2回も再誕生ワークをやったのに、
それでもまだ、
自分を覆う見えない膜が剥がれなくて、
もどかしい思いが消えず、
そして、もう後がないと覚悟して、
死ぬ気で3度目の挑戦を行って、
ガラリと変わったという例もあります。
 
今、その人に会うと、
目に力が宿り、
姿勢が良くなり、
声に張りが出て、
まるで、その人の輪郭が、
濃くなったように見えるのです。
 
自然な力で、
母と子の呼吸が合い、
リズムが合い、
そして、産道を赤ちゃんが、
くぐり抜けて来るという、
一連の過程が、
生命の連鎖のための儀式として、
とてつもない深淵で、
偉大なものであると、
そこに立ち会う私は学び続けます。
 

通常、ワークショップでは、

決して再誕生ワークは行いません。
 
クライアントとの間に、
安定した信頼関係がないと、
クライアントはもう一度生まれ直すための、
勇気を振り絞ることができないからです。
 
この12月初旬に開催したワークショップに、
私がそれぞれの課題をよく把握している、
トレーニング生が2名参加しました。
 
二人とも過去に2回、
再誕生ワークをやった経験がある人たちです。
 
それが、もう一段階深く、
再誕生ワークを試す必要に迫られていました。
 
そこで、ワークショップとしては初めて、
その2名だけ、
再誕生ワークをできるように、
準備をしておきました。
 
そして、
その二人とも、
3度目の正直が起き、
とうとう辿り着くべき所に、
辿り着くことができたのです。
 
 
今頃、二人は幼児のような眼差しで、
世界を見て、
聞いて、
自分の身体感覚への信頼を、
感じ取り始めている頃です。
 
やればやるほど、
この再誕生ワークを必要とする人は、
想像を超えて多いようなので、
2024年から開始する、
1年間の新しい「基盤のトレーニング2024」
のプログラムの中に、
盛り込む必要があると考えています。
 
 
ワークショップで、
一般向けに再誕生ワークはできないのです。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

※15期ファシリテーター養成コースの特典
 
特典付きの早割があります。3名限定です。
お支払いと申し込みの期限があります。
申し込み書類、受講料は1月24日必着です。
それに間に合わないと正規料金になります。

 

 
 
※ 新しいトレーニングについて
 
2024年4月19日(金)〜21日(日)から、
1年間を単位とする、
新しいトレーニングが始まります。
 
「基盤のトレーニング 2024]
というタイトルですが、
これまでの
「基礎コース」とは全然異なります。
 
トレーニング受講経験者でも、
初めてトレーニングに参加する人であっても、
どの段階の人であっても、
手応えを持っていただけるような、
濃厚な内容にしました。
 
ファミリー・コンステレーションの、
理論を目で見て、
耳で聞き、
自分の口で言葉にし、
五感全部で感じ取り、
実感として理解していただきます。
 
ファミリー・コンステレーションに関する、
私の持つ知識、経験から絞り出した、
中枢のエッセンスを、
受け取りに来てくれる受講生に、
惜しげなく注ぐための、
1年間で集中的に教えるトレーニングです。
※ ファミリー・コンステレーション・ワークショップ東京
 
次回は3月に開催します。

今よりももう少し、
歩幅三つくらい、
階段3段とか5段とか、
人によっては8段、10段くらい、
呼吸が深くなるように、
生きるのが楽に、
楽しいことがたくさんあると、
気付けるようになるために。