金毘羅権現 由来
象頭山松尾寺普門院(ぞうずさん まつおじ ふもんいん)の縁起によれば、大砲年間に修験道の役小角(えん の おづぬ/おづの/おつの)(神変大菩薩(じんべんだいぼさつ))が象頭山に登った際に天竺毘比羅霊鷲山(てんじく びひら りょうじゅせん)に住する護法善神金毘羅(クンビーラ)の神験に遭ったのが開山の由来との伝承から、これが象頭山金毘羅大権現になったとされ、不動明王を本地仏とした。
クンビーラは元来、ガンジス川に棲む鰐(わに)を神格化した水神で、日本では蛇型とされる。クンビーラはガンジス川を司る女神ガンガーのヴァーハナ(乗り物)でもあることから、金毘羅権現は海上交通の守り神として信仰されてきた。特に舟乗りから信仰され、一般に大きな港を見下ろす山の上で金毘羅宮、金毘羅権現社が全国各地に建てられ、金毘羅権現は祀られていた。
なお、薬師十二神将の筆頭である宮比羅大将(くびらだいしょう、くびらたいしょう)が松尾寺に元々祀られていて、それを金光院第2代院主 宥雅(ゆうが)が1573年に新しく金毘羅堂(金毘羅王赤如神御宝殿)を建立し祀ったことから金毘羅権現になったともいわれている。