初夢 風習 一富士二鷹三茄子 ①


 



初夢に見ると縁起が良いものを表すことわざに「富士茄子(いちふじ にたか さんなすび)」がある。



江戸時代に最も古い富士講組織の一つがあった「駒込富士神社(こまごめふじじんじゃ)の周辺に鷹匠屋敷(現在の駒込病院)があり、駒込茄子が名産であったため、当時の縁起物として「駒込は一富士二鷹三茄子」と川柳に詠まれた。



その他にこの3つの組み合わせは、『狂歌・家つと(きょうか・いえつと)』、『続五元集(ぞくごげんしゅう)、『狂歌・巴人集(きょうか・はじんしゅう)』、『譬喩尽(たとえづくし)』、『黄表紙・盧生夢魂其前日(きびょうし・ろせいがゆめそのぜんじつ)』、『笈埃随筆(きゅうあいずいひつ)』、『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』、『甲子夜話(かっしやわ)』、『俚言集覧(りげんしゅうらん)』などの文献資料に記載されており、江戸時代初期にはすでにあり、それぞれの起源は次のような諸説がある。


 



· 徳川家縁の地である駿河国での高いものの順。富士山、愛鷹山(あしたかやま)、初物のなすの値段


 



· 富士山、鷹狩り、初物のなすを徳川家康が好んだことから


 



· 富士は日本一の山、鷹は賢くて強い鳥、なすは事を「成す」


 



· 富士は「無事」、鷹は「高い」、なすは事を「成す」という掛け言葉


 



· 富士は曾我兄弟の仇討ち(富士山の裾野)、鷹は忠臣蔵(主君浅野家の紋所が鷹の羽)、茄子は鍵屋の辻の決闘(伊賀の名産品が茄子)