主水司 職掌
主水(もひとり)とは飲み水のことで、主水司(もひとりのつかさ)は水・氷の調達および粥の調理をつかさどった。やがてこれを扱う役人への敬称(殿=おとど)が接尾して転訛し「もんどのつかさ」とも呼ばれる。
調達のために伴部(ともべ、とものみやつこ、ばんぶ)として水部(もいとりべ)、品部(しなべ、ともべ)として水戸(もいとりこ)が置かれた。また運搬等のために駆使丁(くしちょう)が配属された。駆使丁は重労働の現業部門に置かれ、とくに氷は夏場は珍品として貴重だったため運搬に非常に苦労したとみられる。中世以降は清原氏(きよはらうじ)が長官職を世襲し付属の主水司領を相続した。