門松 飾り付け 様々な門松
兵庫県西宮市の西宮神社(にしのみやじんじゃ)では、十日えびすの宵宮で市中を巡幸するえびす様に葉先があたらないよう、松を下向きに付け替えて「逆さ門松」にする。地域の言い伝えにより松を使わない所もある。東京都府中市の大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)では、「待つ」に通じることから、境内には松の木が1本もなく、府中では門松に松を用いない慣習が残っている。千葉県市原市の姉埼神社(あねさきじんじゃ)やその氏子も同様に松を嫌って「門榊」(かどさかき)を飾る。兵庫県神戸市の生田神社(いくたじんじゃ)では、水害で倒れた松の木が社殿を壊したとの言い伝えがあり「杉盛り」(すぎもり)を飾る。
集合住宅の発達など社会環境の変化などから、画像の様な本格的な門松が設置されることは少なくなったが、一般家庭用に小さな寄せ植え風の門松などが年末に店頭に並ぶようになったため、このタイプの門松を置く場合がある。
さらに省略版として、枝振りのいい若松に、赤白や金銀の水引を蝶結びにし、門柱などに付ける方法もあり、手軽なことから多く使われる。
商店や会社では、門松などの図柄に、「賀正」「謹賀新年」等の賀詞、新年のあいさつ文や年末年始の休業期間を配したポスターを貼ることもある。松の木の保護や伝統文化の継承を目的に「門松カード」、「門松ポスター」、「紙門松」、「賀正紙」と呼ばれる門松を印刷した紙を自治体、公民館、町内会などで配布するところもある。利用者が減少したため、配布に代えてホームページからダウンロードできるようにしている場合もある。千葉県市原市には「門榊カード」も存在する。
生花店やホームセンター、造園業や工務店などでは、門松を造り、設置・撤去まで一括でおこなうサービスもある。毎年飾ることができる造花の門松(人工門松)もある。