祭祀(神道) 大嘗祭

 


詳細は「大嘗祭」を参照


大嘗祭(だいじょうさい)とは天皇の即位に際して執り行われる大新嘗祭(おおにいなめさい)のことであり、皇祖とされる天照大神(あまてらすおおみかみ)の「御霊(みたま)のふゆ」を天皇が体現することで、現人神(あらびとかみ)として甦るという思想から、即位の年の新嘗祭を大嘗と呼ぶようになったのである。なお、昭和天皇は終戦後、現人神でなく人間天皇であることを宣言した。



以下は、祭祀の部分であり全容ではない。



祭祀の中心部を見ていくと、天皇は天羽衣(あまのはごろも)を着たまま小忌御湯に入り御湯槽(ゆぶね)にそのまま脱ぎ捨て、湯から上がり着衣する。その間の米搗き(こめつき)では、稲刈りで死んだ穀霊を蘇らせるよう、八乙女が稲春歌を歌いながら米を搗(つ)く。祭儀中の最重要部では、天照大神を神座に迎え、天皇は神饌(みけ)を供食する。神座の傍らには、神の御衣(ぎょい)である和妙(にぎたえ、絹)と荒妙(あらたえ、麻)が置かれている。古来のように柏の葉でできた葉盤(ひらで)を最姫(もひめ)が天皇に渡し、御飯を盛り最姫に返し、最姫は神前に並べていく。肴(さかな)、御菓子(果物)と同様にし、白酒・黒酒は天皇が注ぐ。天皇は頭を下げ、手を柏ち、「おお」といって、三箸食べる。その間、扉を開く、神饌を備えるといった際に、神楽が奏される。



祭祀の事前には、土地を定めて主となる稲だけでなく粟(アワ)も作られる。抜稲式では、造酒子(さかっこ)が田の中央で稲を集め、次いで稲実公(いなのみのきみ)が集め、御飯と御粥、白酒と黒酒にされる。大嘗祭に奉仕する者の穢れを祓う荒見川祓(あらみがわのはらえ)が行われるが、大麻(おおぬさ)に手をかけ身の表の穢れを移し、息を吹きつけ身の内の穢れを移しといったように一撫一吻(いちぶいっぷん)を行う。人形(ひとがた)で体を撫で、散米を行う。