クシナダヒメ 神話での記述 その後

 


クシナダヒメがその後どうなったのかは原文では明記されておらず、櫛に変えられてから元の姿に戻ったという描写もない。しかし、せっかく命を救われたのに無生物である櫛のままだったとは考えにくく、スサノオがクシナダヒメと共に住む宮殿を建てていること、その直後に「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を」と詠んでいること等から、ヤマタノオロチが退治された後で元の美しい娘の姿に戻してもらい、約束通りスサノオの妻になったとする解釈が一般的である。



また、直接的な表現はされていないものの「其の櫛名田比売を以て、久美度くみどに起して」とスサノオがクシナダヒメと寝所を共にしたことを匂わせる記述があり、ここからも最終的には女性の姿に戻っていることが伺える。ただし前述のとおり元の姿に戻った描写自体はないため、クシナダヒメがいつまで櫛になっていたのかまでは明らかでない。