イザナギ 神話におけるイザナギ ①

 


天地開闢(てんちかいびゃく)において神世七代(かみのよななよ)の最後にイザナミとともに生まれた。そして高天原神々に命ぜられ、海に漂っていた脂のような国土を固めるべく、天の浮き橋からで海をかき回し、出来上がったオノコロジマ(自凝島、淤能碁呂島)にてイザナミと結婚した。国産み神産みにおいてイザナミとの間に日本国土を形づくる多数の子を儲ける。その中には淡路島をはじめ大八洲(おおやしま。本州四国九州等)の島々、石・木・海(オオワタツミ・大綿津見神)・水・風・山(オオヤマツミ・大山津見神)・野・火など森羅万象の神が含まれる。



イザナミが、火の神であるカグツチ(軻遇突智、迦具土神)を産んだために陰部火傷を負って亡くなった。イザナギがイザナミの遺体にすがって泣いていると、彼の涙からナキサワメ(泣沢女神)が生まれた。その後イザナギはカグツチを殺し(その血や死体からも神が生まれる)、出雲と伯伎(伯耆)の国境の比婆山(ひばやま)に埋葬した。



イザナギは、イザナミに逢いたい気持ちを捨てきれず、黄泉国(よみのくに)まで逢いに行った。そこで「決して覗いてはいけない」というイザナミとの約束を破って見てしまったのは、腐敗して蛆にたかられ、八雷神(やくさのいかづちがみ)に囲まれたイザナミの姿であった。その姿を恐れてイザナギは地上へ向かって逃げ出してしまう。追いかけてくる八雷神、黄泉醜女(よもつしこめ)、そしてイザナミに、髪飾りから生まれた葡萄(ぶどう)、櫛から生まれた筍(たけのこ)、黄泉の境に生えていたの木の実(意富加牟豆美命、おほかむづみ)を投げながら難を振り切った。