ヒメ 語源
「ヒメ」の古形は「ヒミ」と考えられる。『上宮記』(じょうぐうき、かみつみやのふみ)は推古天皇の別名「豊御食炊屋姫」(とよみけかしきやひめ)を「等已彌居加斯支移比彌」(とよみけかしきやひみ)と記している。阿波国には波爾移麻比彌神社(はにやまひめじんじゃ)があり、ヒメは比彌(ひみ)と記されている。3世紀の卑弥呼(ひみこ)は姫子(ひみこ→ひめこ)の意であるとの説がある。いずれにせよ、古代においてヒメとヒミは通用していたと思われる。それらの語源は、「日女(ひみ→ひめ)」である。日女は、地神(土着)系の女性(メやベ)と区別される、天孫・天神系(天皇やその伴造(とものみやつこ))の女性を意味した。