宗像三女神(むなかたさんじょしん) ②

 


この三女神は、日本から大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する玄界灘の神、要として海北道中の島々(沖津宮(おきつぐう)沖ノ島、中津宮(なかつぐう)筑前大島、辺津宮(へつぐう)宗像田島)に祀られ、大和朝廷によって古くから重視された神々。遣隋使遣唐使もこの島を目印として渡海した。ムナカタの表記は、『記・紀』では胸形・胸肩・宗形の文字で表している。



天照大神が国つくりの前(天孫降臨より以前)、「うけい」により生まれたこの三女神に対し「九州から半島、大陸へつながる海の道(海北道中)へ降りて、歴代の天皇をお助けすると共に歴代の天皇から篤いお祭りを受けられよ」と神勅を示した。このことから、三女神は現在のそれぞれの地に降臨し、祀されるようになった。これが宗像大社が祀る、沖津宮の「田心姫君(タゴリヒメ)」、中津宮の「湍津姫君(タギツヒメ)」、辺津宮の「市杵島姫君(イチキシマヒメ)」である。



この三女神は天照と素戔男の誓(うけい)の結果から生まれたという。素戔男の邪心を疑った天照は彼の本心を確かめるために誓約する。素戔男がたばさんでいる剣を天の真名井ですすぎ、口で噛みくだいてキリとして吐き出した。そうして生まれたという。娘たちに「あなたたち三神は、道中(みちなか)に降臨して天孫を助け奉り、天孫に祭(いつ)かれよ」と命じた。道中とは玄界灘である。