ウカノミタマ 史料における記載 記紀神話

 


『古事記』では、スサノオの系譜において登場し、スサノオがクシナダヒメの次に娶ったカムオオイチヒメとの間に生まれている。同母の兄に大年神(おおとしのかみ)がいる。大年神は一年の収穫を表す年穀の神である。



『日本書紀』では本文には登場せず、神産みの第六の一書において、イザナギイザナミが飢えて気力がないときに産まれたとしている。飢えた時に食を要することから、穀物の神が生じたと考えられている。『古事記』『日本書紀』ともに名前が出て来るだけで事績の記述はない。



また『書紀』には、神武天皇が戦場で祭祀をした際に、供物の干飯に厳稲魂女(いつのうかのめ)という神名をつけたとあり、本居宣長は『古事記伝』において、これをウカノミタマと同じとしている。