力侍神社 文化財 和歌山県指定 ①

 


(件名後の括弧内は指定の種別と年月日)


· 本殿

(有形文化財(建造物)、昭和54年(1979年)6月9日)



· 摂社八王子神社本殿

(同上)



ともに一間社流造檜皮葺で、全体に極彩色を施し、棟には千木・鰹木を置く。縁(大床)を正面と側面の3方に設けて擬宝珠を持つ高欄を廻らし、脇障子を構え、背面の縁を省略する。身舎(もや)正面は引違い格子戸とし、他の3面を白塗りの板壁とする他は極彩色を施す。棟札から本社本殿は寛永11年の軸立、摂社本殿はそれを遡る寛永元年の軸立であることが判明し、木鼻(きばな)蟇股(かえるまた)の彫刻に優れると共に、建立時の形態がよく保たれた、県内にある桃山時代の遺風を残す神社建築の代表例とされる。なお、本社本殿に比べて摂社本殿の方が一回り大きく造作されているが、摂社本殿の身舎の壁は無地なのに対し、本社本殿は両側面の壁に花を描く。ともに昭和54年に指定。