天照大神 神仏混淆と天照大神男神説 ①

 


中世の神仏混淆本地垂迹説が広まると、インドの仏が神の姿をとって日本に出現したとする考えが広く浸透した。はじめ天照大神には観音菩薩十一面観音菩薩)が当てられたが、やがて大日如来となり、両部神道(りょうぶしんとう)が登場すると天照大神は宇宙神である大日如来と同一視されるようになる。



平安末期の武士の台頭や神仏混淆による男系社会が強まると、一部に天照大神を男神とする説が広まり、中世神話などに姿を残した。(※)

 



※ 中世神話では主に男性神として、中世に編纂された『日諱貴本紀』(にちいきほんぎ)には両性具有神として描写される。