玉若酢命神社 神事
· 御霊会(ごれい)
毎年6月5日に行われる例祭は御霊会(ごれい)と称され、神馬入れや流鏑馬の行事が行われる。祭りの当日、下西、西郷、原田、有木、大久、東郷、飯田、加茂の8地区は、それぞれ禊をさせた馬の鞍に幣を立て、別に神輿も仕立てて道楽(どうがく)を奏しながら当社へ参集する。『日本の神々 -神社と聖地- 7 山陰』によれば、馬に立てられた幣は神籬(ひもろぎ)である。参集した馬は公祭式の後、「馬入れ」と称して青竹で叩き勢いを付けた早駆けで曳き入れられる。「馬入れ」の後、今度は当社から神輿を出して少し離れた御旅所まで神幸を行い、その場所で御田植神事と流鏑馬が行われ祭事は終了する。元禄13年(1700年)の記録によれば、かつては島前・島後の全域から48匹の馬が参集したが、あるとき島前からの神船が難破したため祭りが中絶し、その後再興したが参集する馬は島後からの8匹になったのだと言う。また、太陽暦施行前は5月5日に行う端午の節句の祭りであったため、現在も神饌として粽(ちまき)を供える事が守られている。昭和40年(1965年)5月21日に「玉若酢命神社御霊会風流」として島根県指定の無形民俗文化財となった。