常世の国 常世の国の来訪者 田道間守
『古事記』では垂仁天皇が多遲麻毛理(たじまもり。田道間守)に時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)を、『日本書紀』の垂仁紀では、垂仁天皇が田道間守を常世国に遣わして、「非時香菓」(ときじくのかくのこのみ。時じくの香の木の実)を求めさせたが、その間に天皇は崩御したという記述がある。「非時」は、時を定めずということから「いつでも香りを放つ木の実」を指すと解され、「今の橘なり」と言われる。橘は葉が常緑であることから、すぐに散る桜とは対照的に「永遠性・永続性」の象徴と考えられており、「非時香菓」もまた不老不死の霊薬と考えられる(「黄金の林檎」も参照せよ)。