中嶋神社(豊岡市) 祭神
田道間守命(たじまもりのみこと/たぢまもりのみこと)を主祭神とし、天湯河棚神(あめのゆかわたなのかみ)を配祀する。
田道間守命は天日槍命(あめのひぼこのみこと)の5世の子孫で、『日本書紀』に記される垂仁天皇の命により常世の国から「非時香果(ときじくのかぐのみ)」(橘のこと)を持ち返ったとされる人物である。橘は菓子の最上級品とされたことから、菓子の神・菓祖として崇敬される。また、現鎮座地に居を構えて当地を開墾し、人々に養蚕を奨励したと伝えられることから、養蚕の神ともされる。
天湯河棚神は中古に合祀された安美神社(あみじんじゃ)の祭神で、鳥取連(ととりのむらじ)の祖神である。『日本書紀』によれば、垂仁天皇の命により皇子 誉津別命(ほむつわけのみこと)の為に鵠(くぐい。白鳥のこと)を捕えた人物で、一説には、『古事記』に記される鵠を捕らえた地、和那美之水門(わなみのみなと)の近くに祀られたものであるという。