コノハナノサクヤビメ 信仰
富士山を神体山としている富士山本宮浅間大社(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ。静岡県富士宮市)と、配下の日本国内約1300社の浅間神社(せんげんじんじゃ、あさまじんじゃ)に祀られている。
火中出産の説話から火の神とされ、各地の山を統括する神である父のオオヤマツミから、火山である日本一の秀峰「富士山」を譲られた。祀られるようになり富士山に鎮座して東日本一帯を守護することになった。
ただし、浅間神社の総本山である富士山本宮浅間大社の社伝では、コノハナノサクヤビメは水の神であり、噴火を鎮めるために富士山に祀られたとしている。また、この説話から妻の守護神、安産の神、子育ての神とされており、コノハナノサクヤビメにちなんで桜の木をご神木としている。
富士山麓忍野八海(おしのはっかい)の湧池(わくいけ)はコノハナノサクヤビメにゆかりの池として、毎年行うコノハナノサクヤビメの祭りで神輿をこの池の水で洗い浄める。
さらに、ホオリらが産まれた時にオオヤマツミが狭名田(さなだ。現在の鹿児島県霧島市)の茂穂をもって、今日の甘酒とされる天舐酒(アマノタムケザケ)を造ったとの説話があることから、オオヤマツミはサカトケノカミ(酒解神)、コノハナノサクヤビメはサカトケコノカミ(酒解子神)と呼ばれて、酒造の神ともされる。
浅間神社の他、安産や子育ての神として子安神社(こやすじんじゃ。皇大神宮所管社、東京都八王子市など)に、酒解子神として梅宮大社(うめのみやたいしゃ。京都府京都市右京区)に、また、伊都国(いとこく)の中心とされる福岡県糸島市三雲の細石神社(さざれいしじんじゃ)にも姉のイワナガヒメと共に祀られている。