タケミナカタ 霊廟

 

国史にも見えるタケミナカタの霊廟としては、諏訪大社すわたいしゃ。長野県諏訪市ほか、信濃国一宮)が知られる。国史や『延喜式神名帳等で同社の神名は「建御名方富命神」・「南方刀美神」等と表記され、神階は順次昇叙のうえ貞観9年(867年)に従一位勲八等に達している。国史では妃神として「建御名方富命前八坂刀売命神」の記載も見える。現在の諏訪大社では、タケミナカタは上社(かみしゃ)の主祭神に、八坂刀売命(妃神)は下社(しもしゃ)の主祭神に祀られている。



なお、前述のように『古事記』ではタケミナカタが「科野国州羽海」(しなののくに すわのうみ)まで追われた旨は記されているが、諏訪大社との関わりについては記されていない。一方『先代旧事本紀』「地祇本紀(地神本紀)」では、「建御名方神 坐信濃国諏方郡諏方神社として、諏訪大社に鎮座する旨が明記されている。