小物忌神社(酒田市飛島) 由緒
創建年代は不詳。社伝では大和国龍田大社からの勧請であるという。式内社の論社とされ、『神名帳考証』巻5には、小物忌神社が今は飛島にあり、伝承によれば祭神は風神で、『古事記』に言う和久産巣日神(わくむすびのかみ)であると記載されている。
『山形縣神社誌』によれば、元文3年(1738年)社名を大宮神社(おおみやじんじゃ)と改めたところ、小物忌神社の名を獲得しようと至るところに小物忌神社を称する神社が現れたのだと言う。さらに同書によれば、何の証左も無く小物忌神社を称する神社が続出したことを慨した酒田市財団法人光丘文庫長の白崎良弥(しらさき りょうや)が、私費を投じて調査した結果、飛島の大宮神社こそが小物忌神社であることを突き止め、陳情活動などの末、昭和17年(1942年)7月10日付けにて社名を小物忌神社へ変更することが認められたとしている。
※ 風神は龍田大社の祭神と同じであるが、『古事記』における風の神は志那都比古神である。志那都比古神は、『日本書紀』において級長津彦命と表記されるが、伊奘諾尊が朝霧を吹き払った息から生まれた級長戸辺命(しなとべのみこと)の別名であるとされる(四神出生段一書第6)。和久産巣日神は五穀・養蚕の神で、豊受比売命の親神である。