直会(なおらい)
直会(なおらい)とは、神社における神事の最後に、神事に参加したもの一同で神酒(みき、しんしゅ)を戴き神饌(しんせん)を食する行事(共飲共食儀礼)である。
一般には、神事終了後の宴会(打ち上げ)とされるが、本来は神事を構成する行事の一つである。神霊が召し上がったものを頂くことにより、神霊との結びつきを強くし、神霊の力を分けてもらい、その加護を期待する。本居宣長は斎戒(さいかい)を解くこと(解斎。かいさい)の意としたが、古くからの祭式では祭典の前儀や本儀で行われる例もあり、解斎のみを意味すると解するのは誤りである。
神社から餅などを頂く場合にいう直らうも似た意味の言葉である。
神社本庁が定める「神社祭式」では、どの祭式・祭祀でも必ず直会を行うとし、その具体的な作法も定めている。なお祭祀によっては故実による独自の作法が伝わっているものもあり、この場合はそれに従うものとされている。
季節の野菜・魚介類などが神饌として供えられた場合は、それらを調理した物が出される場合が多い。このため、神社によっては直会での料理は郷土料理と同一の場合がある。
神事によっては祭祀者が神と一緒に食事をすると言う物もあるが、この場合は決められた神饌であることが多く、直会とは異なる神事である。