隠津島神社(二本松市) 祭祀 木幡の幡祭り ④
ゴンダチの一連の儀式は、大岩を母胎に見立てた誕生(再生)と命名の後に、お食い初めと羽山神社への初宮詣、成人式に至るという流れをなぞらえたものとされるが、幡祭りに関して言えばこの日に木幡山の桑の葉を摘んで自家で栽培した桑の葉と混ぜ、それを蚕に与えればよく育つものともされているので、本来は養蚕業に因む神事であったと考えられるが、幡をハヤマ信仰によるハヤマ籠りに多く用いられる梵天の変化したものと見るならば、前九年の役に関する由緒は附会されたもので、本質は参籠を主とするハヤマ信仰に基づく習俗であって、そこに羽黒修験にも見られる胎内くぐりといった成人儀礼や養蚕業の繁栄を祈って絹を奉納する習俗が加わったものとも考えられ、いずれにせよ木幡山に対する原始信仰を基盤に種々の信仰、儀礼が複合していったものと考えられる。