隠津島神社(二本松市) 祭祀 木幡の幡祭り ②

 


祭りの3日前から男性氏子は集落毎に堂社に籠り、堂社近くの井戸の清水で水垢離(みずごり)を取り(桶で13杯、17杯、23杯等、奇数回浴びるのが通例という)、ゴンダチの持つ男根状の太刀を木を削って造ったり縄状の袈裟を編んで作ったりして過ごす。また、お籠もりの間に唱え言葉(祝詞)を唱えるが、それには神道的祝詞と仏教的唱詞が併用されるという神仏混淆の名残を見せている。その間、女性は集落毎に3乃至5反の反物を集めて裁断はせずに接(は)ぎ合わせて前日迄に幡を縫い上げる等の準備が行われる。前日の夕方乃至当日早朝に縫い合わせた幡を持って集落内の氏神を詣でる「小宮参り」を行ない、途中、集落各戸を訪れては防火祈願に幡を屋根に立て掛け、神札等を授与して祝儀を貰う。なお、堂社は専用に設けたものや住宅の一部を使用するもの等、かつては47箇所あったが、現存するものは20箇所程度であり、また9地区それぞれを指して「堂社」とも呼ぶ。



当日朝、各堂社毎に行列を組んで旧木幡第一小学校に向かい、旧小学校地元の田谷堂社が迎え幡と神酒を弁備してこれらを迎える。9の堂社が集合すると、午前9時から出立式が行われ、各堂社は神官による修祓(しゅばつ、しゅうほつ)を受けた後に、国旗梵天、法螺貝、ゴンダチ、駒形、白幡、色幡、神供用の餅の順で行列を組み、法螺貝の音に合わせて進行して隠津島神社参宿所(治家公園。じけこうえん)に至り、そこで昼食を取った後に幡の一行とゴンダチ一向に分かれる。幡組は木幡山の尾根伝いに羽山神社へ先行するが、袈裟を首に掛けて男根状の太刀を肩から吊して新しい草鞋(わらじ)を腰に下げたゴンダチを中心とする一行は、41歳以上の氏子(これを「元老」と称す)から選ばれた先達せんだち/せんだつ。世話人)の先導で隠津島神社の南側参道(裏参道)を通って同神社へと直行する。