隠津島神社(二本松市) 祭祀 木幡の幡祭り ①

 


こはたのはたまつり。



昭和41年(1966年)迄は陰暦11月18日に行われたが、翌年から陽暦12月の第1日曜日に斎行されるようになった、境外末社 羽山神社(はやまじんじゃ)の祭り。隠津島神社の氏子である9の地域が集落毎に設けられた「堂社(舎)」と呼ばれる籠り堂に参籠した後、白装束に身を包んで青・黄・赤・白・黒(紫)の5色の布を縫い合わせた大幡(おおはた)を担ぎ、製の法螺貝を吹き鳴らしながら木幡山の山中及び山麓を羽山神社迄練り歩く神事で、前九年の役において安倍氏に逐(お)われた源頼義、義家父子が木幡山に立て籠もった際に本社(弁才天宮)に祈願を込めたところ、俄かに降雪があって山中の杉木立が雪を被り、これを林立する源氏の白旗と見誤った寄せ手がその多勢に驚いて攻める事なく退却したという故事に由来すると伝えられ、また、その故に祭日には必ず降雪があるとの俚諺や、幡は白で縫うのが本来で、後に色物を用いるようになったとも言う。神事内容は大きく参籠後の幡(製)の奉納と、「ゴンダチ(権立)」と呼ばれる15歳を迎えた後に初めて神事に参加する男子の成人儀礼とから成っている。「日本三大旗祭り」の一つに数えられ、昭和51年に東和町の重要無形民俗文化財、平成4年に県の重要無形民俗文化財に指定され、同6年に国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択、同16年(2004年)には国の重要無形民俗文化財に指定された。