船霊(ふなだま)(民間信仰) ②
なお、船霊祭を行い、船霊を奉安する事が古くよりある。続日本紀では淳仁天皇2年(758年)8月に船霊祭を行ったとある。さて、船霊祭は各に多様な神事が伝承されているが、下記は出雲大社での儀式の概要である。
· 船内の神棚を清掃し、斎場を準備、船霊の霊璽を宮形に納める
· 手水(ちょうず、てみず)
· 修祓(しゅばつ、しゅうほつ)
· 献饌(けんせん)
· 祝詞(のりと)奏上
· 米、塩、清酒などを撒いてで舳(へさき。船首)や艫(とも。船尾)などを清める
· 玉串拝礼
· 撤饌(てっせん)
海外で船霊にあたるものとしては、西洋で船首や船尾に取り付ける女神像などが上げられる。また、中国の媽祖(まそ)なども近い存在といえよう。