イザナミ 神話のエピソード
天地開闢(てんちかいびゃく)において神世七代(かみのよななよ)の最後にイザナギとともに生まれた。オノゴロ島におりたち、国産み・神産みにおいてイザナギとの間に日本国土を形づくる多数の子をもうける。その中には淡路島・隠岐島からはじめやがて日本列島を生み、更に山・海など森羅万象の神々を生んだ。
火の神軻遇突智(迦具土神・カグツチ)を産んだために陰部に火傷を負って病に臥せのちに亡くなるが、その際にも尿や糞や吐瀉物から神々を生んだ。そして、カグツチはイザナギに殺された。
亡骸は、『古事記』によれば出雲と伯伎(ほうき。伯耆)の境の比婆山(ひばやま。現在の中国地方にある島根県安来市 伯太町(はくたちょう))に、『日本書紀』の一書によれば紀伊の熊野の有馬村(三重県熊野市有馬の花窟神社(はなのいわやじんじゃ))に葬られたという。
死後、イザナミは自分に逢いに黄泉国までやってきたイザナギに腐敗した死体(自分)を見られたことに恥をかかされたと大いに怒り、恐怖で逃げるイザナギを追いかける。しかし、黄泉国と葦原中国(あしはらのなかつくに。地上)の間の黄泉路において葦原中国とつながっている黄泉比良坂(よもつひらさか)で、イザナミに対してイザナギが大岩で道を塞ぎ会えなくしてしまう。イザナミは閉ざされた大岩の向こうの夫にむかって「あなたがこんなひどいことをするなら私は1日に1000の人間を殺すでしょう」と叫ぶ。イザナギは「それなら私は1日に1500の産屋を建てて子どもを産ませよう」と返した。そしてイザナミとイザナギは離縁した。
この後、イザナミは黄泉の主宰神となり、黄泉津大神、道敷大神と呼ばれるようになった。