山の神 鉱山における山神
日本の鉱山においては、安全と繁栄を祈願してカナヤマヒコ(金山彦)・カナヤマビメ(金山毘売)を祀る神社が設置されることが多く、これらも略称して山神と称する。鉱山で採掘された鉱石がご神体となることもある。多くは祠程度の規模のものが多いが、歴史が長かったり、規模の大きかったりする鉱山においては一般的な神社と同じ規模のケースもある。
鉱山の閉山後は朽ち果て自然消滅する場合が多い。しかし、鉱山閉山後も製錬所が操業を続けたり、廃水処理施設が稼働したりする場合には、神社が施設の守り神として維持されることがある。
2015年に世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産である軍艦島の端島神社(はしまじんじゃ)ではオオヤマツミと金刀比羅宮を合祀し、旧集成館(しゅうせいかん)の反射炉跡脇には水神とともに山の神を祀る祠がある。稀ではあるが、奈良県の大和水銀鉱山のように、創業者(発見者)を祭る山神社もある。