采女 概略 ②

 


大宝律令の後宮職員令によって制度化される。その内容は以下の通りである。




中務省(なかつかさしょう)が発する牒により、諸国に定員を割り振って募集されるが、名目は「献上」という形を取った。



募集条件は


1  13歳以上30歳以下であること。

(采女献上が一旦廃止された後に復活した嵯峨天皇の代の規定では16歳以上20歳以下)


2 出身は郡少領以上の姉妹か娘であること。


3 容姿を厳選すること。




宮内省の配下にある「采女司(うねめのつかさ)が彼女たちの人事等を管理しているが、実際に所属するのは後宮十二司のうち「水司(すいし/もいとりのつかさ)に6名、「(かしわでのつかさ)」に60名となっている。定員は計66名であるが、大宝律令の軍防令によると全国の郡の三分の一から采女を募集することとなっており、そこから推測される采女の貢進数はそれを大きく上回っている。この事から、女孺(にょじゅ)の代わりとして他の部署に配置される者や職制の定員外にいる者、あるいは皇子女付きの者等も存在すると見られている。また飯高諸高(いいたかの もろたか)のように、より上位の役職(典侍(ないしのすけ、てんじ)掌侍(ないしのじょう)掌膳(かしわでのまつりごとひと)典掃(かにもりのすけ))に昇格した者もあり、これらの例も上記の采女の定員外となる。

 

 



※女孺(にょじゅ)

 

女孺(にょじゅ、めのわらわ)とは、後宮において内侍司(ないしのつかさ)に属し、掃除や照明をともすなどの雑事に従事した下級女官。女嬬とも書く。