イワツツノオ

 


イワツツノオ(イハツツノヲ)は、日本神話に登場するである。

 




古事記』では石筒之男神、『日本書紀』では磐筒男神と表記される。



『古事記』の神産みの段でイザナギ十拳剣(とつかのつるぎ)で、妻のイザナミの死因となった火神カグツチの首を斬ったとき、その剣の先についた血が岩について化生した神で、その前に石析神・根折神イワサク・ネサク。磐裂神・根裂神)が化生している。『日本書紀』同段の第六の一書も同様で、ここでは磐筒男神は経津主神(ふつぬしのかみ)の祖であると記されている。『日本書紀』同段の第七の一書では、磐裂神・根裂神の子として磐筒男神・磐筒女神が生まれたとし、この両神の子が経津主神であるとしている。



神名の「ツツ」は「カグツチ」「ノヅチ」などの「ツチ」と同じ「~の神霊」の意で、「イワツツノオ」は「岩の男神」の意となる。ただし、橘守部(たちばな もりべ)は、イワサク・ネサクを「岩根さえも裂く剣の威力」を表すと解したのに対応して、「イワツツ」は「石槌」で、剣を鍛える槌(つち)のことであるとしている。