姉埼神社 伝承

 


姉埼神社境内には松の木が生育していない(境内の木々は多くが杉の古木)。これについて、姉埼神社の神が松を嫌う由来や地名の起源として、以下の諸伝承がある。

 



· 出かけたきり(旅に出たきり、とも)いつ帰ってくるかわからない志那都比古尊を支那斗弁命が思い、「待つのはつらい」と嘆いたことから、「待つ」に通じる「松」が当地では忌まれるようになったという。

 


· 支那斗弁命と志那都比古尊がこの地を訪れた際、姉神(支那斗弁命)の方が先に来て当地で弟神(志那都比古尊)を待ったので「あねがさき」という地名になったという(この時「待つ身はつらい」と言ったという伝承もある)。

 


· 元々の地名は「姉ヶ松」であった。しかし、この地では姉妹がいる家からは妹ばかりが先に嫁いで行き、姉が実家に長く残ることが多く、「あねがまつ(姉が待つ)」という地名にその原因があるのではと考えた人々が、姉から先に嫁に行けるようにとの願いを込めて、地名を「あねがさき(姉が先)」に変えたという。

 



また、氏子区域内でも正月に松を飾らないという風習がある。したがって門松を飾ることも避けられ、松ではなく榊を用いた「門榊(かどさかき)」が飾られる。ほかに鰯の頭などの魔除けや、市原市役所などが配布する門松カードや門榊カードを代用とする家庭もある。