スサノオ 神話での記述 ①

 


『古事記』の記述によれば、神産みにおいて伊弉諾尊(伊邪那岐命・いざなぎ)が黄泉の国から帰還し、日向の橘の小戸の阿波岐原(あわぎはら)禊(みそぎ)を行った際、鼻を濯いだ時に産まれたとする(阿波岐原は江田神社(えだじんじゃ)のある宮崎市阿波岐原町(あわぎがはらちょう)に比定される)。



『日本書紀』では伊弉諾尊と伊弉冉尊 (伊邪那美命・いざなみ)の間に産まれ天照(アマテラス)月読(ツクヨミ)蛭児(ヒルコ)の次に当たる。



統治領域は文献によって異なり、三貴神(さんきしん。三貴子)のうち天照大神は天(高天原)であるが、月読尊は天、滄海原(あおのうなばら)または夜を、素戔嗚尊には夜の食国(よるのおすくに)または海原を治めるように言われたとあり、それぞれ異なる。素戔嗚尊は記述やエピソードが月読尊や蛯児と被る部分がある。



『古事記』によれば、建速須佐之男命はそれを断り、母神伊邪那美のいる根之堅洲国(ねのかたすくに)に行きたいと願い、伊邪那岐の怒りを買って追放されてしまう。そこで母の故地、出雲と伯耆の堺近辺の根の国(ねのくに)へ向う前に姉の天照大神に別れの挨拶をしようと高天原へ上るが、天照大神は弟が攻め入って来たのではと思い武装して応対し、二柱は疑いをはっきり究明するために誓約(うけい)を行う。



我の潔白が誓約によって証明されたとして高天原に滞在する建速須佐之男命だったが、居られることになると次々と粗暴を行い、天照大神はかしこみて天の岩屋に隠れてしまった。そのため、彼は高天原を追放された(神逐(かんやらい))。



出雲の鳥髪山(とりかみやま。現在の船通山(せんつうざん))へ降った建速須佐之男命は、その地を荒らしていた巨大な怪物・八岐大蛇(やまたのおろち。八俣遠呂智)への生け贄にされそうになっていた美しい少女櫛稲田姫(奇稲田姫・くしなだひめ)と出会う。