月待塔 月待塔の分類 ④
七夜待塔
旧暦17日から23日までの「七夜待」(ななよまち)の記念として造立した塔である。七夜待における各夜の本尊は千手観音、聖観音、馬頭観音、十一面観音、准胝観音、如意輪観音の六観音と勢至菩薩である。刻像塔と文字塔があり、刻像塔には各夜の本尊が独立して7体刻まれたものと、1基にまとめて刻まれたものがある。文字塔には「七夜待供養」の銘が刻まれたものと、各夜の本尊名が刻まれたものがある。
月待板碑
中世に造立された板碑のうち月待信仰によって作られたものは月待板碑と呼ばれる。関東地方の南部に約140基が分布し、ほとんどが青石塔婆である。十三仏や阿弥陀三尊、勢至菩薩などが刻まれ、日付では23日が多い。埼玉県富士見市の1441年(嘉吉元年)のものが最古であり、現在は難波田城(なんばたじょう)資料館に展示されている。
併刻塔
「十七夜 十八夜 二十三夜」や「十七夜 廿三夜 廿六夜」のように併刻された塔がある。また、二十三夜と庚申との併刻もある。