ツクヨミ 『万葉集』
万葉集の歌の中では、「ツクヨミ」或いは「ツクヨミヲトコ(月読壮士)」という表現で現れてくる。これは単なる月の比喩(擬人化)としてのものと、神格としてのものと二種の性格が読みとれる。また「ヲチミヅ(変若水。おちみず)」=ヲツ即ち若返りの水の管掌者として現れ、「月と不死」の信仰として沖縄における「スデミヅ」との類似性がネフスキーや折口信夫、石田英一郎(いしだ えいいちろう)によって指摘されている。
なお、万葉集の歌には月を擬人化した例として、他に「月人」や「ささらえ壮士」などの表現が見られる。