神宮徴古館 沿革 第二次大戦以降

 


1953年(昭和28年)の第59回神宮式年遷宮を記念し、石造りの外壁だけが残った状態から徴古館は修復された。ただし、ドームと貴賓室は再現されず、平屋から鉄筋の2階建てにするなどの変更が加えられた。1985年(昭和60年)に新館が増築された。



第61回神宮式年遷宮を記念し、1993年平成5年)10月式年遷宮記念神宮美術館が開館した。美術館は農業館があった場所に建てられることになったため、農業館は一時閉館し東側へ移築、この時に巡回形だった農業館は凹形に縮小するなどの変更が行なわれた。美術館は日本芸術院会員の大江宏(おおえ ひろし)の設計によるもので、神宮の美術館にふさわしく日本の伝統的な建築様式を踏襲し、緩やかな勾配の銅板葺の屋根を持ち、内装は素木を活かした現代建築とされた。



1996年(平成8年)に皇大神宮鎮座2000年を記念し、焼け残った有栖川宮熾仁・威仁(たけひと)親王の銅像を修復するとともに貴賓室を復活させた。この貴賓室は2000年(平成12年)から随時公開されるようになった。



1998年平成10年)に徴古館と農業館は国の登録有形文化財となった。