地車 地車の型 上地車(かみだんじり)
泉州地域以外の地車のほとんどは上地車である。泉州地域でも泉北地域では上地車が見られる。地域によりその形態に特徴があり、住吉型(大佐だんじり)・堺型・大阪型・石川型(仁輪加(にわか)だんじり)・北河内型・大和型・神戸型・尼崎型・舟型・社殿型・宝塚型というように多種多様な型が存在する。屋根の鬼板にはたいてい獅噛(しかみ)や鬼熊(おにくま)と呼ばれる大きな獅子の彫刻が施されている。獅噛ではなく飾目(しかめ)と呼ばれるものや、鳥衾がついている上地車もあるが1本が多い。
重量は比較的軽く、上り坂でも進むことができる。
下地車にある前梃子は無く、周りを「担い棒」又は「張采棒」(ちょうさいぼう)と呼ばれる木の梁で囲っているのが特徴。
この担い棒があるため、「連合曳き」と呼ばれるパレードの際に、地車を担ぎ上げて「ウィリー」させることができる。これを「差し上げ」と言い、これは上地車を使う、河内地域のほとんどの地域で行われている。
そのほか、横に揺らす「横しゃくり」や、梃子の原理を用いて「地車(ダンジリ)」を前後に揺らす「縦しゃくり」を行ったり、前後に走らせたりする。これらの曲芸的な技は南河内、堺市の一部などで行われている。
とくに南河内で主に使われている「石川型地車」は、重心が高い独特の形態をしているため、これらの技をやりやすいとされている。
ほかにも近年では差し上げの状態からさらに後輪の片方を持ち上げ「一輪立ち」などを行う地区もある。これらの方法でだんじりを曳き回して演技を披露することを「しこり」又は「でんでん」、「追うた、追うた(おうた、おうた)」などと言う。
ただし、上記の行為は地車の彫刻の破損、地車本体の損傷、人身事故等を引き起こす場合があり、この行為は行なわれない地域も多い。
また、同じ南河内でも、河内長野市や富田林市の一部では、交差点などで地車の後輪を浮かせ、そのままの状態で地車を左右に勢いよく回す「ぶん回し」という高速回転が見物となっている。 また、ぶん回しを行う地区の多くは古来から堺とのつながりが深い地域に多く、住吉型(大佐だんじり)や堺型地車を使用している事が多い。
泉大津市の大津地区(通称:濱八町)では、互いのだんじりをぶつけ合う「かちあい(かっちゃい)」が名物となっている。 兵庫県南東部の一部地域では、だんじりの前輪を上げ、互いの担い棒(片棒)を乗せあい勝負を決める「山合わせ」が見物となっている。
地域によっては、地車に発電機をのせて大きな電力を確保し、派手なネオンや照明を装備することもある。
上だんじりに彫り物の一部など下だんじりの特徴を足した折衷型も近年では良く見られる。