宇太水分神社 文化財 国宝
· 本殿3棟
同形同大の社殿3棟が相接して並列する。向かって右から第一殿、第二殿、第三殿で、それぞれ天水分神、速秋津比古神、国水分神を祀る。建築形式はいずれも一間社、隅木入春日造(すみぎいりかすがづくり)で、屋根は檜皮葺きとする。第一殿の棟木に元応(げんおう)2年(1320年)の墨書があり、第三殿も同時期の建立とみられる。第二殿は棟木に永禄元年(1558年)の墨書があり、この時に新造に近い改築を経たとみられる。第一・第三殿は、隅木入春日造で建立年代の明らかなものとしては最古のものである。身舎(もや)と向拝柱(こうはいばしら)の間には繋虹梁(つなぎこうりょう)を渡さず、手挟(たばさみ、柱上の組物(くみもの)と垂木(たるき)の間に取り付ける三角形の材)を入れるのみである。繋虹梁を用いないのは、3棟の社殿を側面から見た場合の見通しを考慮したためとみられる。