ハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメ 

 


また、葦原中国平定の段で国譲りを承諾した大国主のために造営された宮殿(出雲大社)で、膳夫(かしわで)となった櫛八玉神(くしやたまのかみ)は、水戸神二神の孫と記されている。



「水戸神」とはすなわちの神の意味である。古代の港は河口に作られるものであったので、水戸神は河口の神でもある。川に穢(けがれ)を流す意味から、祓除(ばつじょ)の神ともされる。神名の「ハヤ」は川や潮の流れの速さを示し、かつ、河口の利用は潮の流れの速さに左右されることから出た神名とみられている。また、「アキツ」は「明津」で、禊(みそぎ)によって速やかに明く清まるの意とする解釈もある。



大祓詞(おおはらえのことば)では、川上にいる瀬織津比売神(せおりつひめのかみ)によって海に流された罪・穢を、「荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百会に坐す速開津比売(はやあきつひめ)と云ふ神」が呑み込んでしまうと記されている。

 

 



※ 祓除(ばつじょ)


災いを除き、けがれを祓うこと。また、その儀式。