延喜式神名帳 式内社の社格 ①
式内社は各種の種別がある。まず官幣社と国幣社の別である。官社とは、毎年2月の祈年祭(きねんさい、としごいのまつり)に神祇官から幣帛を受ける神社のことで、各神社の祝べ(ほうりべ、旧仮名遣:はふりべ)が神祇官に集まり幣帛を受け取っていた。その後延暦17年(798年)に、引き続き神祇官から幣帛を受ける官幣社と、国司から幣帛を受ける国幣社とに分けられた。式内社では、官幣社が573社 737座、国幣社が2288社 2395座である。国幣社が設けられたのは、遠方の神社では祝部の上京が困難なためと考えられるが、遠方でも重要な神社は官幣社となっている。
次が大社と小社の別である。この別はその神社の重要度や社勢によったと考えられる。官幣社・国幣社および大社・小社はすべての式内社について定められたので、式内社は以下の4つに分類されることとなる。
· 官幣大社 - 198社 304座
· 国幣大社 - 155社 188座
· 官幣小社 - 375社 433座
· 国幣小社 - 2133社 2207座
官幣大社は畿内に集中しているが、官幣小社は全て畿内に、国幣大社と国幣小社は全て畿外にある。なお、近代社格制度にも同じ名称の社格があるが、式内社の社格とは意味が異なる。また、近代社格制度の社格は延喜式における社格とは無関係で、制定時の重要度や社勢に応じて定められた。