カグツチ 神名

 

火之夜藝速男神(ひのやぎはやを)



火之(ひの)は、文字通り、この神が火の神であることを表す。夜藝(やぎ)は、現代語の「やく」に通じる言葉である。だが、上代日本語の意味としては、「自ら火を出して燃えている」といった方が妥当である。(はや)は、上代日本語において、名詞の前につく接頭語で、強調の意味を表す。男神(をのかみ)は、文字通り、この神が男性神であることを表す。



すなわち、火之夜藝速男神とは、「燃えている男の火の神」といった意味である。

 

 


火之炫毘古神(ひのかかびこ)



(かか)は、現代語の「かがやく」と同じであり、ここでは「火が光を出している」といった意味である。毘古(びこ)は、彦と同じ単語であり、男性であることを示す。



つまり、火之炫毘古神とは、「かがやいている男の火の神」といった意味である。

 

 

火之迦具土神(ひのかぐつち)


迦具(かぐ)は、「かか」と同様「輝く」の意であり「かぐや姫」などにその用法が残っている。また、現代語の「(においを)かぐ」や「かぐわしい」に通じる言葉であり、ここでは「ものが燃えているにおいがする」といった意味とする説もある。(つち)は、「つ」と「ち」に分けられる。「つ」は現代語で「私の本」と言う時の「の」に相当する古語である。また、「ち」は、神などの超自然的なものをあらわす言葉である。



まとめると、火之迦具土神とは、「輝く火の神」一部の可能性として「ものが燃えているにおいのする火の神」といった意味がある。